概要:欧州中央銀行(ECB)がいかに債券を購入し、低金利で資金を供給しても、大量のデフォルト(債務不履行)による影響には太刀打ちできないかもしれない。
欧州中央銀行(ECB)がいかに債券を購入し、低金利で資金を供給しても、大量のデフォルト(債務不履行)による影響には太刀打ちできないかもしれない。
2兆6000億ユーロ(約315兆円)を超えるECBの金融緩和のおかげで、イタリア10年債のドイツ債に対する上乗せ利回りは先週、3月以来の最小幅に縮小した。だが、デフォルトに陥る企業が増えれば、イタリアの借り入れコストは爆発的に上昇する恐れがあると、アドマクロの調査・戦略責任者、パトリック・ペレットグリーン氏は述べた。
「流動性と支払い能力は別物だ」と同氏は指摘。「欧州の硬直した銀行システムは、投資不適格級の国債を大量に抱えている。今後相次いで支払い不能に陥りそうな不良債権も多い」と話した。
最近ではドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードや、英ショッピングモール運営のイントゥ・プロパティーズなど大企業の破綻が相次いでいる。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)で打撃を被る観光や接客、小売りなどのセクターで今後さらに企業破綻や支払い遅延が続く公算は大きい。
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