概要:金保有を巡る従来の論拠は、実質金利に基づく単純な賭けというものだが、もっと多くのことが起きており、金はデフレ環境下でも好調になり得る。
金保有を巡る従来の論拠は、実質金利に基づく単純な賭けというものだが、もっと多くのことが起きており、金はデフレ環境下でも好調になり得る。
だがそれは全体像の一部にすぎない。米国で前回デフレが長期間持続したのは大恐慌時代で、そこに重要なヒントがある。1933年4月にルーズベルト大統領(当時)は民間が所有していた金を1オンス当たり20.67ドルで没収し、その9カ月後に1オンス=35ドルに引き上げた。価格は決められたものであって、見いだされたものではないため、不完全な例であることは認める。
しかし、デフレ環境の仕組みを考えてみれば、こうした事象は需要の大きな落ち込みや企業の閉鎖、フードバンクでの行列といった現象に関連があった。そうした事象が今起きれば、名目金利はゼロをさらに下回るだろう。その結果、株式の予想されるリターンや債券を満期まで保有するリターンは魅力のないものとなり、投資マネーは現金や現金に近い資産でため込まれる。そして金の需要も増えることになる。
重要なのは、金は金融市場における最大の不安が何であろうと相関性がある点だ。最大の不安が手に負えないインフレであればそうなるし、デフレにも同じことが言える。
(この記事はブルームバーグ・マーケッツ・ライブブログに投稿されたものです。内容は筆者の見解であり、投資助言を意図したものではありません。市場分析ライブブログはこちら)
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