概要:欧州中央銀行(ECB)に対する市民の信頼は、通貨ユーロへの信頼が堅調に推移しているにもかかわらず、過去10年で他の政府系機関よりも大幅に低下したとみられる──。ECBの新たな論文が15日、こうした見方を示した。 論文は世界的な金融危機以降の10年に言及。「欧州連合(EU)や国家機関と比べ、ECBに対する信頼は不釣り合いなほど危機の影響を受けているもようで、より大きく低下し、回復もより鈍い」とした。 その結果、ユーロ圏の市
[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)に対する市民の信頼は、通貨ユーロへの信頼が堅調に推移しているにもかかわらず、過去10年で他の政府系機関よりも大幅に低下したとみられる──。ECBの新たな論文が15日、こうした見方を示した。
論文は世界的な金融危機以降の10年に言及。「欧州連合(EU)や国家機関と比べ、ECBに対する信頼は不釣り合いなほど危機の影響を受けているもようで、より大きく低下し、回復もより鈍い」とした。
その結果、ユーロ圏の市民の76%がユーロ自体への支持を表明しているものの、ECBに対する信頼は欧州委員会や欧州議会よりも低くなった。
懐疑派トップにはドイツやオーストリアなどで、長年にわたってECBの超緩和政策を批判。これらの国の市民は現在、ECBよりも国の政府を信頼している。
ギリシャやスペインといった債務危機で苦しんだ国々も懐疑派となっている。
論文はECBがコミュニケーション面で問題を抱えていると指摘。「異なる教育水準や予備知識を持つ人々を対象にコミュニケーションによりアクセスしやすくすることや、経済的な結果におけるECBの役割など、ユーロ圏の異なる地域における市民の具体的な懸念にも対処することでECBに対する信頼を高めることができる」とした。
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