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日銀の7月マネタリーベースは13.8%減 「円高直結」とはいえない理由
概要:日銀の7月マネタリーベースは前年同月比13.8%減となったが、これは7月だけの減少率ではない。マネタリーベースとマネーストック、量の縮小と政策金利を分け、FXで単一指標を円買い材料にする危険性を整理する。

日本銀行が2026年8月4日に公表した7月のマネタリーベースは、月中平均残高が554兆9,259億円となり、前年同月比13.8%減少した。日銀当座預金は435兆3,368億円で、同16.6%減だった。
数字だけを見れば金融緩和の後退を連想しやすい。しかし、13.8%は「7月だけでお金が13.8%減った」という意味ではない。さらに、マネタリーベースの縮小を、そのまま「円高材料」や「ドル円下落の合図」に置き換えることもできない。
13.8%は1カ月の減少率ではない
今回の13.8%減は、7月の平均残高を前年7月と比べた伸び率である。6月は前年同月比13.7%減だったため、減少幅は前月から0.1ポイント拡大した。月中平均残高そのものは6月の559兆2,039億円から7月の554兆9,259億円へ減っているが、13.8%という見出しの数字とは比較軸が異なる。
内訳では、日銀当座預金の減少が全体を押し下げた。紙幣発行高は前年同月比1.9%減、貨幣流通高は同1.1%減であり、家計が保有する現金だけが急に13.8%消えたわけではない。
マネタリーベースと市中のお金は別物
マネタリーベースは、日銀券、貨幣、金融機関が日銀に置く当座預金で構成される。一方、企業や家計の預金まで含むマネーストックは別の統計だ。直近6月のマネーストックは、M2が前年同月比2.2%増、M3が同1.5%増だった。
つまり、「中央銀行が供給する基礎的なお金」と「銀行を通じて経済全体に存在するお金」は同じ動きをするとは限らない。マネタリーベースの減少だけで、企業融資や個人預金まで一斉に縮んだと判断するのは誤りだ。
「量」の縮小と政策金利を分けて見る
日銀は国債買い入れを段階的に減らしており、計画上の月間買い入れ額は4~6月の2.7兆円程度から7~9月は2.5兆円程度へ縮小する。一方、7月31日の会合では政策金利を1.0%程度に据え置いた。
国債買い入れの減額は日銀当座預金や市場の流動性に影響しうるが、政策金利の変更とは別の経路で作用する。為替市場では、米国金利との差、追加介入への警戒、ドル全体の動き、輸出入企業の資金需要も同時に材料になる。
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