概要:米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレのリスクはなおあると指摘。その上で、信用収縮の影響で経済の減速ペースが想定より速まるようであれば、政策当局は俊敏に対応する必要があるとの見解を示した。
米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレのリスクはなおあると指摘。その上で、信用収縮の影響で経済の減速ペースが想定より速まるようであれば、政策当局は俊敏に対応する必要があるとの見解を示した。
総裁は30日、リッチモンドで講演。事前に配布された原稿によれば、「現在の経済情勢を精査する上での難題は、最近のデータの力強さと銀行システムがもたらし得る弱さをどう調整するかだ」と述べた。
バーキン氏はインフレとの闘いを続ける姿勢を示し、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイント利上げ決定を支持したと明らかにした。
パウエル議長、インフレ沈静化の決意強調-FOMCは追加利上げ (3)
「インフレとの闘いで性急に手を緩めればインフレは勢いを増して戻ってくる。金融当局はさらなる措置を講じなければならなくなり、そうなれば一層ひどいダメージを与える」とバーキン総裁は指摘。「インフレが高水準かつ広範で、根強いことを踏まえれば、私はそのリスクを冒したくない」と続けた。
その上で、「インフレが根強く続くようであれば、われわれは追加利上げで対応可能だ」とし、「わずか数週間前にも、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げを支持する声が一部で上がった」と語った。
銀行預金の動きについては、現在は比較的安定しているようだと発言。一方、銀行システムの不安定な状況が信用収縮を引き起こすかどうかを判断するのは「時期尚早」だとした。