概要:航空業界団体の国際航空運送協会(IATA)は、米国での新型コロナウイルス感染率が高水準にあることで、航空市場の世界的な回復が妨げられる可能性があると警告した。
航空業界団体の国際航空運送協会(IATA)は、米国での新型コロナウイルス感染率が高水準にあることで、航空市場の世界的な回復が妨げられる可能性があると警告した。
IATAのエコノミストは1日、今年の航空需要が36%減少するという基本予測の一方で、新興国と米国に関する入国制限が継続した場合、53%減まで落ち込む可能性があるとの見通しを示した。
欧州連合(EU)加盟国はオーストラリアやカナダ、日本など計15カ国の在住者について1日からの入域を許可する一方、米国在住者の入域禁止を延長した。これは年間収入290億ドル(約3兆1100億円)規模の米国-EU路線が途絶した状況が続くことを示唆する。
IATAのチーフエコノミスト、ブライアン・ピアース氏は、米欧路線の低迷が長期化した場合、米航空会社と違って採算が取れる短距離路線を持たない欧州航空会社への打撃が最も大きいだろうとの分析を示した。
Atlantic Exposure
British Airways owner IAG is most exposed on U.S. to Europe flights
Source: OAG
NOTE: IAG and American operate a revenue-sharing partnership, as do Delta, Air France-KLM and Virgin, and United and Lufthansa
IATAによると、航空会社の有償旅客の輸送距離を示す有償旅客キロ(RPK)は5月に前年同月比91.3%減と、4月の94%減からわずかに改善。一方、座席利用率は50.7%と過去最低だった。これはほぼ全ての航空会社にとって損失を意味する水準で、運航再開には代償を伴ったことになる。
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