概要:インド政府は、国営銀行の不良債権額が2倍になるとの予想を受けて、最大1兆5000億ルピー(198億1000万ドル)を注入する必要に迫られている。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を考慮した。 事情を直接知る政府幹部によれば、当初は国営銀の資本増強のため、約2500億ルピーの予算を想定していたが、政府により全土で実施された都市封鎖(ロックダウン)から企業が打撃を受けて債務不履行に陥る可能性が高まっているため、大幅に引き上げら
[ムンバイ/ニューデリー 27日 ロイター] - インド政府は、国営銀行の不良債権額が2倍になるとの予想を受けて、最大1兆5000億ルピー(198億1000万ドル)を注入する必要に迫られている。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を考慮した。
事情を直接知る政府幹部によれば、当初は国営銀の資本増強のため、約2500億ルピーの予算を想定していたが、政府により全土で実施された都市封鎖(ロックダウン)から企業が打撃を受けて債務不履行に陥る可能性が高まっているため、大幅に引き上げられたという。
この計画はまだ議論中で、最終決定は2020年度の後半に行われる可能性がある。インドの会計年度は4月1日から始まる。
国内銀行は昨年9月末時点で既に9兆3500億ルピーの不良債権を抱えており、総資産の約9.1%を占めている。ロイターはこれまで、今会計年度末に当たる来年3月までに不良債権は総資産の18─20%にまで拡大する公算が大きいと報じている。
ある銀行関係者によれば、インド政府が銀行への資本注入の全額を自前で調達できる可能性は低く、国債の発行といった、これまで用いられてきた間接的な手法に頼るとみられるという。
さらに「一部はインド準備銀行(RBI、中央銀行)による財政赤字の穴埋めというマネタイゼーションを通じて賄うかもしれない」と、前出の政府幹部は話した。財務省当局者は現在、RBI側と協議中だという。
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。