会員に対する処分について
平成27年10月29日
一般社団法人 金融先物取引業協会
会員に対する処分について
本協会は、本日、本協会の会員に対し、下記のとおり定款第19条第1項に基づく処分を行いまし
た。
記
1.処分を受けた協会員名
カブドットコム証券株式会社
2.処分内容
譴 責
3.処分理由
○ システム管理が十分でない状況
(1) システム障害の管理が極めて不適切な状況
当社のシステム障害の管理の状況を証券取引等監視委員会の検査において検証した
ところ、発生日時や事象の異なる複数のシステム障害が1件にまとめられ、実際に発生した
システム障害件数よりも大幅に少ない件数が執行役等に報告されており、執行役等もこれ
を容認していることから、当社のシステム障害の管理は極めて不適切な状況にあるものと認
められた。
(2) システム開発の管理の不備
当社は、
① システム開発における品質管理を定めたガイドラインにおいて、基本的なテスト項目
に 漏れがあることから、開発工程におけるプログラム不具合等をテストで検出できて
おらず、品質管理が不十分なものとなっており、開発後に顧客に影響を及ぼす多数の
システム障害が発生していること。
② システム開発の進捗管理が社内規程で定められたとおりに実施されておらず、また、
執行役等には、システム開発の作業内容の報告しか行われず、進捗や遅延の状況を
正しく管理、把握できるものとなっていないこと。
から、当社のシステム開発の管理には不備が認められた。
(3) 内部監査が機能していない状況
システムの実務運営上の問題を検出するだけの知識を有する監査要員が不足しており、
また、実際にはシステム開発における品質管理や進捗管理に係る検証を実施していない
にもかかわらず、これらについて概ね問題ないことを確認した旨を取締役会等に報告して
いた。
以上より、定款第19条第1項第3号の規定に該当すると認められることから、同項に基づ
き、処分を行うことが相当と考えられる。
4.その他
本処分と併せて、同日付で、定款第16条に基づき、今後このような違反行為の再発を防止す
るため、「不適切なシステムリスク管理態勢が常態化していた原因を分析し、責任の所在を明確化す
るとともに、経営管理態勢の見直しを行うこと」、「システム障害に関する管理基準に沿った処理が実
施されていなかった事例も含め、過去のシステム障害事例の検証を行い、想定される事案と対応策を
類型化すること等により、実効性あるシステムリスク管理態勢を構築すること」、「役職員にシステム開
発管理の重要性を認識させるとともに、適切な業務運営を確保するため、規程類・業務手順の見直し
や研修等の実施に取り組む等、システム開発管理態勢の強化に取り組むこと」及び「システムリスク管
理全般の有効性を適切に検証するため、外部システム監査の適切な実施とあわせ、内部監査部門の
機能強化を図ること」を内容とする勧告を行いました。
以 上